アメリカ

1人でも楽しい!ニューヨーク Sleep No More

こんにちは!ココモです。

今回は、ニューヨークを訪れた際にぜひ行ってほしい、オフブロードウェイで超絶人気のスリープノーモアをご紹介します。

スリープノーモアとは、演劇の舞台となる建物の中を自分で俳優さんを追いかけて観劇する、今までに無い新感覚のショーです。

参加者は一切誰とも話してはならず、時には自分も出演者の1人になれます。

いわば体験型アトラクションのようなスタイル。

実際に行ってみましたが、楽しすぎました

この記事では、スリープノーモアについての紹介から、より楽しむ為のポイント、観劇する為の方法、劇場となるビルへの行き方・帰り方について記載しています。

スリープノーモアって?

俳優もゲストも言葉を発さず、演技・舞台・照明・音楽、そして各参加者によって毎回異なるストーリーが作られる舞台がスリープノーモアです。

全体のストーリーの元となっているのは、劇作家シェイクスピアが書いた「マクベス」という戯曲。登場人物の誰かが死ぬ、サスペンスショーとなっています。

マクベス』(Macbeth)は、1606年頃に成立したウィリアム・シェイクスピアによって書かれた戯曲である。勇猛果敢だが小心な一面もある将軍マクベスが妻と謀って主君を暗殺し王位に就くが、内面・外面の重圧に耐えきれず錯乱して暴政を行い、貴族や王子らの復讐に倒れる。実在のスコットランド王マクベス(在位1040年–1057年)をモデルにしている。

Wikipediaマクベス(シェイクスピア)より

この「マクベス」を元にして、スリープノーモアは王国ではなくホテルを舞台にして作られています。つまり登場人物は従業員やホテルのオーナー、利用客ということになります。

マクベスやその妻、主君、貴族や王子がどの登場人物になるのかを想像しながら、ゲストは建物内を縦横無尽に動き回る俳優さんを追いかけて自分なりのストーリーを作り上げていきます

ゲスト各自のスリープノーモア

舞台に入場すると、全くわからないことだらけでまず困ります。

発見した俳優さんが主役なのか、脇役なのか。演技が一体何の場面なのか。そもそも参加した時間がストーリーの最初なのか、序盤なのか。最初は現状を全く把握できません。

それに、俳優さんの移動スピードが速くて追いかけていても見失う事が多々あります。登場人物も多いので、多くの人は全ての場面を一度の入場で見尽くすことができません

各登場人物に何の役割があって、何をしたのか、何をしているのか、今観ている場面がどんな場面なのか、言葉を発しない俳優さんの演技だけを見て自分で想像力をフル活動させて考えます

ストーリーの最後を把握できるかどうか、最後を把握できるまでどのくらいの時間がかかるのかはゲスト次第となっています。

人によって捉え方や観られる場面が異なってくるので、「ゲストそれぞれのスリープノーモア」が出来上がるのです。

ゲストは白い仮面のアノニマス

私たちゲストは、入場時に渡される白いマスクをつけて、観劇中は一切話すことは許されず、「アノニマス(見えざる者)」として参加します。

この記事トップの画像で写っているマスクがそれです。俳優さんを囲って白い仮面をつけた大勢の人達がいるのは異様な雰囲気です…。それだけでもスリープノーモアの世界観を作り上げています。

俳優さんの演技に邪魔にならない程度の近距離で観劇できるので、普通の劇場では座席によっては感じられない息遣いや表情までくっきり分かるのが凄いところ。みんな美男美女で見惚れます。

時には俳優さんに手を引かれて導かれ、演者の一員になる事も!選ばれるとその人しか経験できないストーリーがあるようです。私はセレクトされませんでしたが…。残念。

スリープノーモアの舞台「Mc Kittrick Hotel」

スリープノーモアはビル1棟に入るすべてのフロアを使って行われます。

建物は、実際に1939年に建設され第二次世界大戦の影響でオープンする事が出来なかったホテル「The McKittrick Hotel」です。地下1階、地上6階のビルが全て劇場として使われている、なんとも豪華な劇場設定です。

フロアはそれぞれホテルのフロント、バー、客室、オーナーの部屋、従業員の部屋、ダンスホール等に設定が別れていて、そのデザインや美術も素敵でした。

時にはなぜか病院のベッドやお墓のような場所も…。基本的にどこも薄暗いのが特徴。流れる音楽も独特。暗い所が苦手な人は怖いと感じるかもしれませんね。

ちなみにホテル内の移動は階段です。俳優さんを走って追いかける事も多々あるので運動靴必須ですので要注意

フロア内にトイレもちゃんと設置されているし、もう疲れて出たいと思ったら所々にいる黒いマスクをつけた係員に伝えれば途中離脱する事もできますよ

五感を使って感じるスリープノーモア

劇場や俳優さんの演技だけでなく、水や音楽、光、匂いを使った演出も見どころ(感じどころ?)です。

まるで自分が瞬きをしながら観ているかのような、1枚ずつ写真を観ているかのような感覚になる光の演出があり、こんな魅せ方があるんだと衝撃でした。

サスペンスショーなので血のりもあるし、ちょっとグロテスクな演出もあるので人によっては苦手かもしれませんが、嫌だと思ったらそこから移動すればすぐに離脱できます。

ちなみに、血のりはビシャーーっとされるので、血しぶきがかかります。(笑)

水で洗ったらすぐ取れるらしいですが、気になる方は黒っぽい服で行くといいと思います。

「Mc Kittrick Hotel」に行こう!

スリープノーモアの舞台、「Mc Kittrick Hotel」は、ニューヨーク・マンハッタンのチェルシー地区に位置しています。Googleマップで位置を確認してみましょう。

少し歩くとハイラインやチェルシーマーケット等の観光スポットがあるので、日中はそのあたりの観光をして、夕方からスリープノーモアに出かけると時間が有効に使えて良いかもしれません。

地下鉄を利用するなら、劇場近くの7、23、28番通りの駅か、ペンシルベニア駅から、劇場までの道を徒歩で行くと良いと思います。

私は28th駅で降りて劇場まで歩きました。19時に入場予約だったので、30分前に到着するために駅に18時頃には到着。

8月の夕方だったので日は高く、日差しは日陰に貼って避けながら、歩くには全く問題なしでした。

スリープノーモアの予約から観劇の流れ

スリープノーモアは他の多くのブロードウェイと違い、チケットがありません。

ホテルチェックインのように、パスポート等の写真付きの身分証明証を見せてチェックインする方式です。公式サイトまたは他の斡旋業者を利用して、入場する時間を決めてそこで予約が取れれば予約完了。

公演開始時間は15〜19時と日によってバラツキがあります。公式サイトからだと15分刻みで予約が取れるようになっていますが、混雑状況によっては予約時間通りに建物に入っても暫くラウンジで待機することもあります。

たまに23時頃まで入場の予約が取れる日もありますが、スリープノーモアのストーリー把握には時間がかかるのでどちらにしろ早めの入場をお勧めします。

cocomo
cocomo
スリープノーモアは2時間程度でラストまでを演じ、その後再び最初からスタートするというスタイル。
早くから観劇すれば最初から重要なシーンを見てしまう可能性は低くなるし、ストーリーを把握しやすいよ!

あっとブロードウェイで予約

公式サイトはもちろん全て米語で記載されていて、チケットにはレストランやラウンジでの座席予約がついたものなど、種別がたくさんあります。よって金額も様々。

私は間違えた時の不安があったので、あっとブロードウェイというサイトを利用して予約しました。

あっとブロードウェイ

あっとニューヨークというニューヨーク専門の観光をサポートするサイトの姉妹サイト。
スリープノーモアの他にも色々なミュージカルのチケットを少し割安のお値段で購入することができます。もちろん日本語。

サイト上やメールでのやり取りを行い、予約時間と購入金額を確認してクレジットカードで料金を支払います。わからない事への問い合わせにも迅速に対応してもらい、スムーズに予約できました。

私は火曜日19時台の入場、1人119ドル・日本円で約13000円くらいの値段で予約。30分前に劇場前に到着して、予約待ちの列に並びました。

残念ながら年齢制限があり、17歳未満は入場できませんのでご注意を。

観劇当日の流れ

まずはMc Kittrick Hotelの入り口で並びます。重厚なドアの前にスーツを着たガタイの良い黒人のスタッフさんがいて、パスポート等の身分証明証を見せて予約確認。確認が出来たら手の甲にホテルのロゴになっているスタンプを押印されます。

f:id:onetripper:20181031155435j:image

しばらく待つと薄暗いホテルの中に案内され、右側にクロークがあるのでそこで5ドル払って荷物を全て預けます。観劇を終えてゴールした後、ラウンジで飲酒される方はクレジットカードや現金を持っておくのを忘れずに。

cocomo
cocomo
私は飲酒はいいかなと思って持っていかなかったのですが、後悔しました…。

クロークを通り過ぎるとカウンターがあり、パンフレット等のグッズを買わないか聞かれ流のと同時に、ここで入場順にコールするためのトランプが渡されます。

↑マスクと不思議な柄のトランプ。ラウンジでこの数字をコールされると入場です。

このトランプを貰うカウンターを過ぎるとさらに真っ暗。ちょっと怖いんですが、ラウンジにたどり着くまで特に何もありません。

ラウンジまでたどり着いたら、トランプナンバーのコールがあるまで待機。お水はフリーで置いてあるので、入場中に脱水にならないよう必ず飲んでおきましょう。

観劇中は、結構走るし室温もちょっと暑いくらいなので、途中離脱を避けるため事前の水分補給必須です。

トランプのナンバーがコールされたら、いよいよ入場。役者さんから配られる仮面を貰って、着けてと言われるまでは持ったまま、乗るように促されるエレベーター前で待機します。

エレベーターに乗るとすぐに公演スタート。複数人で入りますが、突然1人だけで降ろされる場合もあったりドキドキです。

何が起こるかわかりません。入場したらあとは各々想像力をフル活動させて無言で楽しんでください!

cocomo
cocomo
ラウンジには素敵な衣装を着た俳優さんが何人もいて雰囲気を盛り上げてくれてるよ!

観劇終了後はラウンジでジャズ

ひとしきりスリープノーモアを堪能して最終場面に到着できたら、スタートしたラウンジに戻る作りになっています。

予約の時に座席を一緒に購入した人や、お金やクレジットカードを持って入場した人は、ここでジャズを聴きながら飲酒する事ができます。

f:id:onetripper:20190514142536j:image

約3時間ほど走り回って喉カラカラの状態だった私。フリーで置いてある水をガブガブ飲みつつジャズを鑑賞しました。ゴールした後におしゃれなジャズが聞けるとは思っておらず、お金を持って入らなかったのは激しく後悔しました。。

cocomo
cocomo
お酒を飲みつつ雰囲気に浸りたいタイプです。(笑)

ラウンジを退場したら、クロークで荷物を受け取ってホテルを後にします。事前に預けた5ドルは返ってきますが、荷物を持ってきてくれたスタッフにチップを1ドルくらい払うと良いと思います。

観劇終了後の帰路について

なんだかんだ、観劇してジャズを聴いていたら、帰ろうとした時には23時頃になっていたと思います。

入場してから走るのが怠くて2時間くらいタラタラ歩いて回っていたらこうなりました。なるべく早くからストーリー把握をするよう努力することをお勧めします。(笑)

自分でゴールを目指すスタイルの観劇って、一体何時に終わるんだろうか…と旅の前に思っていましたが、やはり割と遅い時間になってしまいました。

劇場周囲に人がいないからやや不安だとか口コミで見かけましたが、そもそもお客さんが大勢いるので建物を出る時には絶対1人じゃないです。

ホテルの外壁についてる看板の前で写真を撮るお客さんも多数。私のように女1人でも心配いりません。

私はホテル脱出後からGoogleマップで帰宅方法を検索し、近くのバス停からバスに乗って宿泊していたホテルまで帰りました。運転手さんニコニコで良い人だったし、全く問題なしでした。

1人で楽しめるSleepNoMore

友人と一緒に行った人も、劇場内では結局1人になった方が楽しめるんじゃないかと思います。自分の行きたい時に行きたい所に行ける。

そもそもゲストは話しちゃいけないので、どのフロアに行くか、どの俳優を追いかけるか一緒に決めたいなら身振り手振りでコミュニケーションとらないと無理で面倒くさそう…。ラウンジで集合する約束をしておいて、それぞれで楽しんだ方が良いと思います。

実際、鑑賞中は1人でウロウロとしている人がたくさんいました。たまにカップルが手を繋いで一緒に回ってましたけど、、これはヒガミです(笑)

ラウンジで待機する間、シカゴから来たという英語ペランペランな香港出身女子とお話ししたんですが、彼女も一人で入ると言って私より早く入場していきました。一人女子、まぁまぁいると思います。その後、再会はできなかったのは残念。。

もう1度チャレンジしたい!スリープノーモア

スリープノーモアは芸術性も独創性も高く、ニューヨークの凄さをさらに実感させられました。もう一度ニューヨークに行くなら再チャレンジしたいと思います。

1度入場したことでストーリーは大体把握できたので、まだ観てない場面を探したい。そしてラウンジの席を事前予約しといて、ゴールした後にしっぽりカクテルとか飲んじゃいたい!!(笑)

調べて知ったんですが、どうやら上海にもスリープノーモアがあるようです。どんな感じなんだろう…。

では、みなさんも良い旅を!ココモでした。

ABOUT ME
cocomo
日々真面目に働くアラサー看護師10年目。病院よりも空港が好き。残業多め・拘束時間長めの職場に勤めながら、隙あらば旅しようと常に企んでいる。今一番行きたい国は情熱の国スペイン。